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マイルストーンで物語を進める
マイルストーンは、物語を「段階(フェーズ)」に区切る仕組みです。設定しなくても会話は成立しますが、これを使うと「雑談で終わらず、狙った方向へ物語が進む」ようになります。
マイルストーンとは?
本やドラマが「章」で区切られているのと同じで、物語を いくつかの段階に分ける のがマイルストーンです。 各段階の中ではプレイヤーが自由に展開を作れますが、次の段階へ進む条件を満たすまで、AI は今の段階で決めた範囲を超えません。 これにより「出会う → 距離が縮む → 打ち明ける」のように、話が段階的に前へ進みます。
プレイ中は、入力欄の上に「次へ →」ボタン (分岐点では選択肢ごとのボタン) と、フェーズ一覧を開く本のアイコンが出ます。本のアイコンから、各段階の方針を読み取り専用で確認できます。
構成プリセットから始める
ゼロから段階を組むのが大変なときは、マイルストーン編集画面の「構成プリセット」から骨組みを流し込めます。「3 段階」「二択分岐 → 合流」などの型を選ぶと、フェーズと進行ルールの骨格が入るので、あとは中身を自分の物語に書き換えるだけです。よく使う構成は「現在の構成を保存」で自分のプリセットにして、別のシナリオでも呼び出せます。
進行ルール「AIおまかせ」(頃合いを AI に任せる)
「目的地へ向かう途中」のような、抜ける条件を決めきれない自由区間には、進行ルールの種別で 「AIおまかせ」 を選べます。条件を書かず、最低滞在ラリー数を過ぎてから、AI が「この区間を締めて次へ進む頃合いか」を判断して自動で進めます。storylet(進む条件を自分で書く)との違いは、条件を書かず頃合いを AI に委ねる点です。
注意が 2 つあります。①分岐とは併用できません(単一の行き先へのみ進むため。分岐のあるフェーズでは選択肢に出ません)。②最低滞在ラリー数は 1 以上が必要です(1 ターンで進んでしまうのを防ぐため。既定 3 くらいが扱いやすい)。
各段階に書く項目
各フェーズには次の欄があります。全部埋める必要はなく、まずは「物語的な役割」と「心理姿勢」だけでも機能します。
- 物語的な役割(このフェーズで何が変化するか): この段階で起きる変化。例:「相手が本心を少し見せ始める」。
- キャラの心理姿勢: この段階でキャラがどんなスタンスで反応するか。例:「まだ警戒しているが、興味も出てきている」。
- 行動範囲(このフェーズで踏み込んで良い範囲): どこまで踏み込むか。例:「言葉のやり取りまで」「距離感の変化まで」。ここに書いていない踏み込みはしません。
- 口調・トーンの方向性: 話し方・感情の出し方。「序盤は丁寧、徐々に砕ける」のような時間変化もここに。
- この場面の狙い(能動的進行): キャラが 自分から 向かいたい方向。例:「あなた(キャラ)は、主人公に今日の出来事を自分から尋ねたい」。受け身になりすぎるのを防ぎます。
- このフェーズで判明する事実(1行 = 1事実): この段階で初めて明かす事実。未到達のフェーズの事実は AI に渡らないので、結末や正体のネタバレが起きません。
- 裏側で進んでいる事実(GM だけが知る、キャラには伏せる): キャラが観察できない舞台裏の仕込み。キャラには渡らず、進行判定などの内部処理だけに使われます。
- 感情パラメータ — フェーズ突入時の初期値: この段階に入った瞬間のキャラの感情状態(詳しくは次章)。
レシピ集:こうしたい → ここに、こう書く
こうしたい
抜ける条件を決めきれない自由区間を、頃合いよく AI に締めさせたい
どこで: 各フェーズ末尾の「進行ルール」= AIおまかせ
こう書く
次フェーズへの進行ルール = AIおまかせ
種別で「AIおまかせ (自動進行)」を選ぶ。進む条件は書かない。
最低滞在ラリー数
「3」など(1 以上必須)。この往復数を過ぎてから、AI が頃合いを見て次へ進める。
こう扱われる
最低滞在ラリー数までは必ず滞在し、それ以降は AI が「この区間を締めて次へ進む頃合いか」を毎ターン判断して、頃合いが来たら自動で次のフェーズへ進みます。
注意: 分岐(複数の行き先)とは併用できません。行き先を 1 本に絞ったフェーズでのみ選べます。抜ける条件を言葉で決められるなら storylet の方が狙った所で進みます。
こうしたい
キャラから「次のシーンの提案」を二択でさせたい
どこで: マイルストーンの各欄 + 進行ルール(分岐)
こう書く
物語的な役割(このフェーズで何が変化するか)
この段階でキャラが“区切り”を切り出す。例:「しつこいやり取りに耐えかね、キャラから『続きは別の場所で』と条件を出す」。
行動範囲(このフェーズで踏み込んで良い範囲)
「キャラから続きを提案する」。← 提案という行為を明示的に許可する。
この場面の狙い(能動的進行)
「あなた(キャラ)は、主人公に “このまま続ける / 場所を変える” のどちらにするかを自分から尋ねたい」。
この段階からの分岐(各分岐に storylet 条件)
分岐Aの条件「主人公が場所を変えることを選んだ」/分岐Bの条件「主人公がこのまま続けることを選んだ」。それぞれ別のフェーズへ繋ぐ。
こう扱われる
キャラが自分から二択を切り出し、主人公がどちらを選んだかを AI が判定して、対応するフェーズへ自動で分岐します。
注意: 行動範囲に書いていない踏み込みはしません。分岐の条件は「文中に直接書かれる言葉」で書くと判定が安定します(“ほのめかし”では進みません)。
こうしたい
ある展開になったら自動で次の段階へ進めたい
どこで: 各フェーズ末尾の「進行ルール」
こう書く
次フェーズへの進行ルール = 自動進行 (storylet)
進む条件を自然言語で書く。例:「主人公が秘密を打ち明けた」「キャラが本心を漏らした」。複数書くと、いずれかを満たした時点で進みます。
最低滞在ラリー数(storylet のペーシング)
「3」など。条件を満たしても、最低この往復数はこの段階に留めてから進む(急ぎすぎ防止)。
こう扱われる
AI が毎ターン条件の達成を判定し、満たした瞬間に次のフェーズへ自動で切り替わります。
注意: 条件は“観察できる事実”で。「主人公が◯◯と言った/した」の形が最も安定します。
こうしたい
結末や正体を、先にバラさせたくない
どこで: 各フェーズの「判明する事実」+ ネタバレ防止トグル
こう書く
このフェーズで判明する事実(1行 = 1事実)
その段階で“初めて明かしていい”事実だけを書く。例(終盤フェーズ):「実は幼馴染だった」。序盤フェーズには書かない。
先のフェーズを隠す(ネタバレ防止)
ON。プレイヤー向けのフェーズ一覧でも、未到達の段階を伏せる。
こう扱われる
キャラは“今の段階までに明かした事実”しか知りません。未到達フェーズの事実は AI に渡らないので、キャラが結末を先に口走ることがなくなります。
注意: 「キャラにはまだ内緒だが物語には存在する仕込み」は、判明する事実ではなく『裏側で進んでいる事実』へ。
こうしたい
もう少しこの場面を続けさせたい・じらしたい
どこで: 各フェーズ末尾の「進行ルール」
こう書く
次フェーズへの進行ルール = 発言数で進行
「5」など。プレイヤーが N 回発言するまで「次へ」ボタンを押せなくする。
(自動進行と併用時)最低滞在ラリー数(storylet のペーシング)
条件を満たしても、この往復数までは進ませない。
こう扱われる
指定した回数のやり取りを重ねるまで、その場面が続きます。あっさり進みすぎるのを防げます。
こうしたい
信頼が育つまでは、先に進ませたくない
どこで: 各フェーズ末尾の「進行ルール」+ 感情パラメータ
こう書く
次フェーズへの進行ルール = 感情軸の条件で進行
「信頼度 ≧ 60」など、指定した感情値の条件を満たすまで進めない。
感情パラメータ — フェーズ突入時の初期値
この段階の入口の感情値(例: 信頼度 20)を決め、会話でそこから育てていく。
こう扱われる
会話でキャラの感情が動き、条件の値に届くまでは次へ進めません。「関係が育ってから展開する」流れを作れます。
進行ルールの選び方
4 種類ありますが、おすすめは「自動進行(storylet)」です。プレイヤーが「次へ」を押さなくても、会話の流れに合わせて段階が進みます。
- 自動進行 (storylet)おすすめ: 自然言語で書いた条件を AI が「達成した」と判定すると、自動で次の段階へ進みます。 「主人公が秘密を打ち明けたら」「二人が外へ向かい始めたら」のように、物語の転換点をそのまま条件にできます。プレイヤーは「次へ」を押すことを意識せず、会話に集中できます。
- 手動進行 (条件なし): プレイヤーが「次へ」を押すと進む。一番確実。自動進行の条件を詰める前に「まず動かす」段階のフォールバックとして。
- 発言数で進行: N 回発言するまで進めない。「もう少しこの場面で遊んでほしい」時に。
- 感情軸の条件で進行: 指定した感情値を満たすまで進めない。「信頼が育つまで待つ」時に。
よくあるつまずき
- 「次へ」が押せない → 進行ルールが手動以外(発言数/感情軸/自動進行)で、条件をまだ満たしていません。条件を見直すか、一時的に手動へ。
- 自動進行が発火しない → 条件が“ほのめかし”になっている可能性。「主人公が◯◯と言った/した」のように、会話文に直接現れる形へ。
- 各段階が同じ雰囲気になる → 前の段階と心理姿勢・口調を同じに書いていないか確認。「ここで何が変わるか」を各段階に。
- キャラが受け身になる → 「この場面の狙い(能動的進行)」に、キャラが自分からやりたいことを 1 行入れる。